弊事務所開設以来、男女間のトラブル(離婚、婚約不履行、ストーカー対応など)のほか、
特に、不貞に関する慰謝料請求についてのご相談を数多くお受けしております。
そのようなご相談の中で、行政書士が作成した、
不倫相手に対し、不貞に関する慰謝料を求める内容の内容証明郵便に
触れる機会が多かったので、
今後同様の相談を考えている方々へ、私なりの意見を一言。
結論として、「不貞に関する内容証明郵便作成については、行政書士ではなく、最初から弁護士に頼んだ方が良い」です。
大きな理由としては、「行政書士に示談交渉権限はない」からです。
すなわち、行政書士には不倫相手との示談交渉権限が認められておりませんので、
不倫相手の代理人として弁護士が就いてしまえば、
行政書士は弁護士相手に示談交渉をすることができません。
その結果、せっかく内容証明郵便作成を行政書士に依頼しても、
「不倫相手から慰謝料を取る」という目的が達成できず、
行政書士に依頼した分の手数料が無駄になります。
弊事務所に相談に来られる方の中でも、
「行政書士に頼んだものの、相手に弁護士が就き、弁護士から文書で回答が来た。
行政書士に相談したが、『これ以上できない。』と言われてしまった。
どうしたら良いか。」といった内容のご相談が非常に多いです。
不倫相手との示談交渉権限がないことについて、
行政書士が事前に依頼者に対し、どのような説明をしているのかは分かりませんが、
結局、「内容証明郵便を送っただけで成果なし。けれども内容証明郵便作成手数料は取られる。」という、
依頼者にとって無駄な費用をかけさせる結果になってしまいます。
行政書士の方が安いから、という理由で行政書士に依頼することを考えている方も多いと思いますが、
すでに述べたように、行政書士に頼んだが故にかえって費用がかさんでしまうこともありますので、
どの専門家に頼むかということも含め、よくよくご検討された方が良いと思います。
弁護士 高橋 裕